医の心
私の人生航路と果てしなき海図

表紙
  • 井村裕夫 著
  • 発行 京都通信社
  • 装丁 中曽根孝善
  • B6判 320ページ
  • 定価 1,700円+税
  • 2018年2月4日 発行
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井村裕夫 米寿記念出版

私は、常に「いのち」の重さを感じてきたように思う。

そこに美しさ、いとおしさ、たくましさを感じる。 そして、私が心がけてきたこと、それは将来を見つめて、 もっとも適切と考える方向を示すことであった。 第一部、「いのちの断章」は、 晩年の私が「生命」と「いのち」について考えたことを書き綴ったものである。 第二部は、私が歩んだ道を履歴書ふうに書いたものである。 人生を船旅にたとえるなら、 辿った跡はやがて消える、か細いひとすじの航跡である。 そういう私の人生を支えてもらったじつに多くの人に感謝したいと考えた。 そんな話も盛り込んだこの本は、少し奇妙なオムニバスになってしまったが、

私の人生のまとめにはふさわしいかもしれない。

「はじめに」より抜粋

  
    

目次

はじめに

第一部 いのちの断章

  • おもいつくままに
  • 忘れ得ぬ人たち

第二部 私の医歴書 ひとすじの航跡

  • 米寿を迎えて
  • 人生と出会い
  • 幼年期から学生時代
  • 医師・研究者としての日々
  • 判断し、行動する司令塔として
  • 次代をみつめて

第三部 仲間たちと語り合う 「人生100年時代」にむけて

  • 関西を挙げて医学会総会を開催する意義
    鼎談 平野俊夫氏+山極壽一氏+井村裕夫
  • iPS細胞が教えてくれる これからのライフサイエンス研究
    対談 山中伸弥氏×井村裕夫
  • トランスリレーショナルリサーチの活性化をめざして
    対談 岸本忠三氏×井村裕夫
  • 健康・医療の未来をリードする兵庫
    鼎談 井戸敏三氏+髙橋政代氏+井村裕夫+髙曽根里恵氏(司会)
  • 科学と心 これからの大学と学習社会
    対談 千 玄室氏×井村裕夫
  • 補 私の研究の歩み 出版した図書を中心に
  • 補 井村裕夫の略年譜

おわりにかえて

  • 内分泌学における温故知新
    ── 日本内分泌学会創立九〇周年の機会

むすびに

著者紹介

井村裕夫

1931年、滋賀県に生まる。1954年に京都大学医学 部を卒業。卒業後の最初のライフステージ37年間 は、医師として臨床、研究、教育の現場で過ごす。 第2のライフステージは、60歳から現在までの27年 間で、高等教育、国家および地域の科学技術政策、 健康政策などの分野で活動する。高齢社会を生き抜 く人生戦略、それが現在の最大の関心事である。