海の姿を測る
──海洋計測の原理と進化する技術

『海の姿を測る』の表紙
  • 海洋理工学会 編
  • 発行  京都通信社
  • B5判  176ページ
  • 定価  3,400円+税
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  • 編集代表あいさつ
  • 海洋理工学会とは
  • 目次

編集代表あいさつ

中田喜三郎「海洋計測方法と技術の発展──観測値に接するさいの心がまえ」から抜粋

海洋理工学会は2014年に発足20周年を迎えることができました。記念事業としてなにかしようという意見が寄せられ、理事会で検討が行われてきました。その結果、海洋計測に関するチュートリアル(指導書)を出版することになりました。対象は、海洋学を志す学生、民間のコンサルタント会社等で測定業務に携わる技術者の方がたです。本書は以下に示した五つの計測分野に関する内容で構成されています。

第1部 水温と塩分計測
第2部 流速計測
第3部 濁度計測
第4部 音響計測
第5部 光計測

本書は海洋計測に長く携わってこられた専門家の方がたによって、それぞれの計測分野での解説や課題が紹介されています。これからの海洋計測を担う若い技術者のみなさんに、本書で紹介する知見、経験、課題が引き継がれることを期待しています。

本の内容の抜粋

海洋理工学会とは

荒井修亮「設立趣意と経緯」から抜粋

海洋学は物理・化学・生物などあらゆる自然科学を含む地球規模の科学です。研究対象とする時空間スケールはきわめて広く、かつ、精度の高い計測技術と密度の高い調査・観測が要求されます。このため海洋学の更なる発展のためには高度な先端技術を導入した新たな海洋計測技術の開発が必須です。しかし、わが国の海洋学における研究は、これまで自然科学的研究と計測技術を中心とした工学的研究との間での交流が少なく、海洋学への先端技術の導入が遅れていました。

このような背景より、1989年4月1日、海洋研究分野での自然科学と工学との学際領域の研究を推進することをめざして「海洋工学コンファレンス」が発足しました。1994年4月1日には、さらに当会を発展させ対外的に活動範囲を拡大してゆくために「海洋理工学会」へと組織替えし、シンポジウムや会員による一般講演、学会誌の刊行などを定期的に行っています。

目次

第1部
水温と塩分計測

  • 第1章 BT、XBT、XCTDなどの計測手段の進歩
  • 第2章 温度標準とそのトレーサビリティ
  • 第3章 海洋中の塩分計測

第2部
流速計測

  • 第1章 流速計測の進歩
  • 第2章 流速計の種類と測定原理
  • 第3章 相互比較実験

第3部
濁度計測

  • 第1章 濁度の係わる物理と濁度原因物質の現場測定
  • 第2章 濁度標準と懸濁物質による濁度測定結果の相違
  • 第3章 積分球式における濁度計測の特質と課題
  • 第4章 工事中モニタリングにおける濁度計測の課題
  • 第5章 第5章 濁度計はなにをとらえているか
    ──検出方法による反応の差、懸濁物質による反応の差

第4部
音響計測

  • 第1章 水中音響測位──現状と課題
  • 第2章 ハイドロホンの現状と課題
  • 第3章 ジュゴンの生態調査に貢献する音響技術
  • 第4章 環境影響評価における海中騒音測定の現状と課題
  • 第5章 GPS-音響測距結合方式による海底地殻変動観測の現状と展望

第5部
光計測

  • 第1章 海洋における光
  • 第2章 光を用いた環境計測
  • 京都通信社の本
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