主流文明の世界史 魅力と魔力が歴史をつくる
古代シュメールから現代アメリカに至る主流文明を考察し、未来の主流文明の在り方を提唱する。
われわれが「世界史」とよぶ内実は、ほとんどがこの数千年の間に生まれた文明の出来事である。したがって、われわれが世界史として認識する主要なものは、人類の「文明史」なのである。」(「はじめに」により)
人類が築き上げた輝くばかりの文化と文明を代表する主流文明。それを「主流」たらしめたのは、覇権国家の魅力と魔力によるものだった。静止画的に語られてきた従来の世界史を、国際語と国際通貨をキーワードにして探索すると、そこに連続的な世界史を発見する。
目次
はじめに
第1章 狩猟採集から農耕生活へ
- 地球上に最初に誕生した生命が人類の祖先?/
縄文人だけでも、弥生人だけでもない日本人の先祖
第2章 新しい文明理論 文明を構成する四種類の文化
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総合的な研究で専門分野を超える/文化と文明/文明を構成する四つの文化
Ⅰ 基軸文化/文明を構成する四つの文化
Ⅱ 政治・行政文化/文明を構成する四つの文化
Ⅲ 媒体文化/文明を構成する四つの文化
Ⅳ エンリッチング文化
第3章 原始四大文明 主流文明になりえた文明はどれか
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古代エジプト文明の成立/モヘンジョ・ダロ、ハラッパーのインダス文明/
悠久の歴史の黄河・中国文明
第4章 古代前期の主流文明 シュメール、メソポタミア、アケメネス朝ペルシャ
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主流文明「シュメール」――鬼才たちが創造した文明/
主流文明「メソポタミア」――軍事力で発展した文明/
主流文明「アケメネス朝ペルシャ」――賢明で寛大な文明
第5章 古代後期の主流文明 フェニキアと古代ギリシャ、古代ローマ
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フェニキアと主流文明「古代ギリシャ」――商業・軍事力の文明とギリシャ語文明/
フェニキアに学び、超えたギリシャ/
主流文明「ローマ」――政治文化とラテン語文化
第6章 中世の主流文明 ビザンチン、フランス
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主流文明「ビザンチン」 通商を基軸にしたギリシャ正教の文明/
主流文明「フランス」キリスト教を育み、フランス語を生んだ文明/
文明の根底に生きるキリスト教/近代社会を実現した基軸文化としての「農業」
第7章 近代産業革命後の主流文明 魔力と「金」が生んだイギリス
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魔力と「金」が生んだ文明/近代経済が生み出した戦争とイギリス文明/
英語を国際語にしたイギリスの海外進出/「世界の工場」から「世界の銀行」に
第8章 現代世界の主流文明 魅力と魔力が交錯するアメリカ
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勝ち取るために戦う文明/魅力と魔力が交錯する文明/
三つの基軸文化と科学・技術を背景に/
「合州国」の連邦政府と州政府/国際経済とアメリカ・ドルの不思議
第9章 「主流」からはずれた諸文明
エジプト、イスラーム、インド、中国、ロシア、中小ヨーロッパ諸国、アジア諸国
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「エジプト文明」と「イスラーム文明」の悲哀/「インド文明」の悲哀と魅力/
「中国文明」の悲哀と魔力/「ロシア文明」の魅力と魔力、そして悲哀/
「ヨーロッパ諸文明」の魅力と魔力/ヨーロッパの歴史は「戦争史」/
アジア諸文明の悲哀と希望
第10章 移民・植民が築いた諸文明 アフリカ、新大陸
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アフリカ大陸諸文明の悲劇と悲哀/イギリス移民による諸文明の誕生――悲哀を遺し希望へ/
スペイン、ポルトガルからの移民による諸文明――その悲哀と期待
第11章 文明と個人 人は生まれる文明を選べない
- 文明と人の生涯 所属する文明が左右するそれぞれの人生文明と宗教との深い関係
第12章 未来の主流文明 文明崩壊ののちに女性主導文明が誕生
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近未来の主流文明/環境破壊による崩壊と国際通貨システムの創設/
魅力的な未来の主流文明/男性支配文明から女性主導の文明へ