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尊勝寺に祀られている米地蔵尊(よねじぞう)は、元勅願所金蔵寺のご本尊として祀られていたもので、慈覚大師の作とも、慈覚大師が唐から将来された尊像とも伝えられます。平安朝初期の特徴をあらわす立像の地蔵尊です。
伝記には、「昔、粟田の里に貧女あり、尊崇年久しく、ついに霊応を感じて貧苦を免れる。彼女貧しかりし時、この尊像米袋を持ち来って与う、この故に世人、ヨネ地蔵と称す」と、呼び名の由来が記されています。「米地蔵を拝めば米に不自由しない」といわれ、古来みなさんに親しまれてきました。京洛四十八願所地蔵尊の第廿四番の霊場とされ、その御詠歌には、次のように詠まれています。
おおうみのひとしずくが よねめぐみ こがねのくらの てらをいふなり |
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