どすねん
発行・「どすねんの会」/制作・京都通信社/AB判・本文40P(一部4色刷り)
「京都の明日をどうすんねん、これはたいへんなこっちゃで」、「そうどすねん」という問題意識から、社団法人京都経済同友会のジュニア会員で構成されるジュニア部会(後に青年政策研究部会と名称変更)のメンバーが、経済同友会活動とは別にオピニオン雑誌をめざして発行した。
京の明日を語る情報誌『どすねん』の問題意識は、「これからの京都はどうなるのでしょうか。京都を憂う声が多くあります。では、私たちはどうすればいいのでしょうか。『どすねん』は、京都の過去・現在・未来を考える情報誌です。多角的な情報と斬新な視点で京都を見つめ直します」。
特徴は、ブック・クラブの形式をとったこと。年に2回発行で、年会費2万円を払っていただくと、会員が指定する20カ所に雑誌を自動的に発送するという方式。広告をはじめ、京都の若手経営者の京都を思うこころの深さと行動力には脱帽するほかはなかった。
多くの問題提起はしたものの、多くの読者を引きつけることには成功しなかった。4年間で8冊を発行して休刊。
7号 特集「京都改造計画に勝算はあるか」(1997年2月27日)
鼎談「『べし』、『べからず』は京都人の嫌うところ。まちづくり計画かて、遊び心でやりまひょうや」内田俊一/高田公理/野間光輪子
千年の都・京都は、百年の寿命のビルで死ぬほどひ弱なのか/失敗を恐れすぎるあまり保守化した京都/他人を否定しないことが京都の伝統/内憂外患の交通事情はどう打開できるか/道路を整備するコストを考えると、自動車を変えるほうがいいんじゃないか/京都のまちを一つのユニバーシティにしたい/小学校の跡地を市民の文化迎賓館に/京都の価値を再認識すべき/京都の高齢者はなぜ美しいか/日本を救う京都の知恵
- 「誇りに綻びができてしまった京都」佐伯啓思
- 「住民参加でつくった嵐山の公衆便所」乾 亨
- 「京の雨、どうしといやす」ドクトル・雨水
- 「上田篤の『京都改造』誌上展覧会」上田 篤
- 地下鉄は環状線になり、高速道路は地下にもぐる
- 京都大学が移転してくれたら、おもろいまちができまっせ
「京都・こだわりの会」から生まれた「夢京区」構想 - グラフ「オレゴン大学の堀川修復構想~堀川に生命の躍動する水の流れを再び」ロン・ロビンジャー
- 西陣を創造空間に
- きもの DE 京都
- ちょっとでしゃばってしまいましたが、
「なんかせなあかん」という気になって……。 - 力を合わせれば、住民だって行政を動かせる
- 京都から日本を変えたい
- サッカーで市民の心を一つに
「最後っぺ」座談会「『どすねん』は、その使命を果たしきれたか」橋本和良/畑 正髙/岩崎一也/大倉治彦/梅村泰山/次田幸司/山口祥二/絹川雅則/谷口晃一/中村基衞
6号 特集「学生さんのまち京都?」(1996年5月31日発行)
鼎談「若者諸君に斬新な魅力は提供できそうにない。しかし、旅人として異文化を楽しむならば、捨てたものでもない」河村能夫/永田 萠/三輪泰司
町屋の暮らしがつくる文化は若い人には窮屈だろうな/経済力と活力に貢献する学生さんは、文化の継承と創造に欠かせない存在/思いと紡ぐ時間が流れる京都は、知的な刺激に富んだまちである/現代の若者を魅きつける仕掛けを大学や行政が用意しないといかん/住民と学生は、迎合しあうのでなく双方が接点を求められるはずだ/大学機能の一翼を担う京都のまちは、人間関係の基本を教えてはどうか/よそ者と女性が元気なまちは、エネルギーに満ちてくる/京都のまちが、人間をつくる。京都も毅然としたまちであるべきだ/京都についての誤解は、奥深い魅力ともなるが……
- 「行動する学生たち」服部和昭/山元彩乃/中西正義
- 「留学生が暮らして感じるもう一つの京都」張修慎/ドナルド・ロックスバラ/陳 青東
- 「学生さんと関わってきた京都の人たち」中島敬子/山下多津子/加藤石根
- グラフ「京都のまちと心に灯を点けろ 火にこめた祈り」写真・文 中田 昭
- 学生座談会「学住接近の京都は、学ぶうえで最高の環境だ。
単純に東京と比較しても意味ないんじゃない?」 - 「広中先生、なぜ湧源クラブなんですか?」広中平祐
- 「『京都で学びたい』と願われる大学とまちづくりのために」
京都・大学センター 森島朋三 - 「立命館大学の大学改革 立ちゃんからRITSへ」
- いまどきの大学生と暮らしの素顔 ~大学生アンケートから~
5号 特集「京都に要るもん・要らんもん」(1995年11月10日発行)
鼎談「京都の改革は京都の人にはできない。せめて新しい鬼を招き入れる態度こそほしい」北村陽次郎/田中貴子/吉田謙二
燃えようにも、対象と命題が明確にされない京都/難儀な京都ふう 意思決定のしくみ/魔界都市京都の魅力とブランド維持に欠かせないのが天皇?/新しい鬼を現代に引き寄せる仕掛けが要る/文化の目利きが育つ環境がほしい/京都を安もんのまちにしたらあかん/お寺の鐘をうるさいと文句をいう人は出てゆけばよい/京都に愛情と情熱を注いでくれる人を歓迎したい
- 「京都証券取引所をベンチャー馬券売場に」千田哲朗
- 「たのもしくも躍動する京都のベンチャー」木村隆之
- 祇園町のスカイラインを守る女紅場学園
芸妓さん・舞妓さんの学校は、祇園一の大地主 - グラフ「京都の街の色──昼と夜の環境形成へのアプローチ 光と色で、京都の暮らしを豊穣にしたい」村上はるみ/写真:街の色研究会・京都+神谷 潔
- 覆面座談会「千年都市、京都が憧れの都でありつづけるには、なにを必要としているのか」
- 「有朋遠来──新しき京都人」ケネス・コフィ・エフナコ
- 「京都に要るもんは? 要らんもんは? 市民アンケートから 200人に聞きました」
- 「お米の話」田中映男
4号 「ものづくりの伝統の行方」(1995年4月20日発行)
鼎談「伝統とは反逆と革新の歴史だ。変革のエネルギーを失った都市に人は魅力を感じるはずがない」太田房江/村田純一/山田浩之
京都の近代工業を活性化したベンチャー企業と中堅企業/高い円がいよいよ製造業の空洞化を進める/なぜ、京都の製造業と経済力を問うのか/工業流出も大学流出も同源の現象だ/人を呼び寄せる魅力を失った京都になにができる/都市が現代に生きるうえで必要な新しい装い/京都のアルチザン精神をもう一度/映像産業で京都を情報発信の都市に/ストックとフロー化で新しい刺激と産業を創出する
- 「文化が企業を彩り、企業が文化を育てる都市へ」塚本幸一
- 「異質なもので革新することを伝統とする京都の工芸」清水九兵衞
- 「『ソフト化』や『ソフト産業』は、
産業にブレークスルーを起こせるか」飯田経夫 - グラフ「水があぶない 山紫水明の京都、いまや彼方に」
写真:中田 昭/レポート:大西 剛 - 覆面座談会
「企業活動の拠点としての新たな資格と可能性を京都は備えているか」 - 「有朋遠来──新しき京都人」クリフトン・カーフ
- 「ちいさい方が楽ってのもあるよね」田中映男
- 『浅き夢みし』──京都のグランドビジョンを求めて
3号 特集「都市に暮らす作法」(1994年11月25日発行)
鼎談「京都はあえて口やかましいおばあさんになって、お行儀の悪い振る舞いに監視の目を光らせたい」岩滝絵美子/熊倉功夫/横山俊夫
神さま・仏さま・人さまが一人ひとりの行動を監視しているまち/罪も罰もともなわない京都の作法は、ゆるやかゆえに可能性にも富む/かすかに悟らせるあいまいな態度と表現では日本の作法のスタンダードにはなりえない?/おもいやり、配慮がつくる「和」も過度にすぎれば非効率/「間」と「ぼかし」がつくる人間関係の自制力の妙味/文化の継承にも腕力と新しい血が必要だ/日本のおばあさんとして、伝統の作法を守る姿勢を崩してはいけない
- 「京都の地を『お京都に』」ひろさちや
- 「日本の家 嵐山の景観づくり序曲」恩地 惇
- 「せめて京都は都市らしく」野田正彰
- グラフ「ごみにまみれた京都 ごみにみる京都の世相と京都人の神経」
写真:神谷 潔/レポート:大西 剛 - 「都市の物語を取り戻す建築群を構築すべきだ」 高松 伸
- 「有朋遠来──新しき京都人」安田 正
- 「夏は涼しく 冬は暖かく」田中映男
- 「泥棒都市の警察」白砂碧海
- 街角で50人に聞きました あなたは、自転車を盗まれたことがありますか?
2号 特集「あたらしもんがり? の京都人」(1994年4月28日発行)
鼎談「京都を支配しているのは、マイナスのパワーだ。この猛威を鎮めないかぎり、京都は去勢されつづける」栗田靖之/佐藤友美子/疋田正博
京都を活性化するには国の文化装置を誘致するしかないのか/民間企業にこそ、新しいもんがりの精神が息づく/改革を志すなら、いにしえに範を求めるルネッサンス方式が京都にふさわしい/若者文化を育成することが京都の未来を拓くことになる/文化の育成は公事であって私事ではない 行政の政策ひとつでまちは新しくなる/京都の排他主義とブランド志向はきつすぎやしないか/新しいパワーを生み出すには、行政が民間の力をうまくオーガナイズするべきだ
- 「人を引きつける京都の力」富樫 実
- 「変容を繰り返す宿命にある文化」笠井昌昭
- 「ユニバース・シティ・京都 遊びの精神が可能性を開く」
- グラフ「現代に生きる京町家の美と様式
京都は、町家が似あう都市であり続けるだろうか」 - 「京都のまちにはポストモダニズムがよく似あう」渡辺豊和
- 「有朋遠来──新しき京都人」スティーブン・サロウェイ
- 「古都の糸染め」田中映男
- 「継続の知恵の継承」北村陽次郎
- 「明石博高 温故知新の精神がもたらした京都ルネッサンス」高野 澄
1号 特集「一見さんお断りの美学」(1993年7月30日発行)
鼎談「人への信頼を基盤として成立する商いのシステムと京都人の志」石毛直道/上村多恵子/高田公理
売る側、サービスする側が客を選ぶことが特徴/居心地のよい個室の情報をそえた個別のサービス/世襲身分のヨーロッパ、築き上げた人格を評価する京都/人間関係を基盤にした信頼の構造が再び脚光を浴びる時代がくる/手工業的少量生産・サービスに未来はないのだろうか/国家よりも民俗の同一性を優先する現在の世界情勢よりも、一見さんお断りの世界だろう/人間社会に普遍的なルールなど、あるはずがない/量的なマーケット拡大よりも、質的な水準を高める努力も一つのビジネス・スタイル/一見さんお断りの価値観と精神を、どう時代のシステムに反映させるか/一見さんお断り産業はすべて情報産業だといってよい/顔の見える信頼関係がビジネスに不可欠な時代がくるのではないか
- 「一見さんお断りの役割と限界」木津川計
- 「固有名詞のあるサービス」樺山紘一
- 「都市の歴史がつくる人間空間」小川 了
- グラフ「最後の卒業生を送り出した七つの小学校
小学校の統廃合が突きつける京都のまちの衰退と疲弊の現状」 - 「一見百聞」中村種子/邵春福/中村公子
- 「まちの声 あなたは「一見さんお断り」をどう思いますか?
- 「応仁の乱此の方 一げんさんお断り」田中映夫
- 「これでよいのか 京都」杉田繁治
- 「ゴットフリート・ワグネル 舎密局に科学技術の生命を吹き込む」高野 澄
0号 特集「まちのいろけ」(1992年10月23日発行)
グラフ「京のあか」
鼎談「『まちのいろけ』は京都の熱気の中から生まれた」森谷尅久/高田公理/西川充
成熟したまちでなければ「いろけ」は出てこない/歌舞伎や数寄屋橋建築に見る「時代のいろけ」/新しいものと古いもの、京都のいろけづくり/大きな胃袋のような許容量のあるまちが京都なのだ
- 「京都のまちなみのいろけ」土屋敦夫
- 「花街の人類学」芳井敬郎
- 「祭りの中のいろけを探る──京都とバリ島」河合徳枝
- 「いろけ いろ・いろ」梶田真章/大村しげ/下井宥之/
ダイアン・ダーストン - 「白味噌椀の味なんか知らんし」田中映男
- 「京都よ、目を覚ませ」堀場雅夫
- 「田辺朔郎、疎水にかけた情熱」高野 澄
- グラフ「時代の枠」
シリーズ・定期刊行物
- ◆ 冊子
- 『オムロン京都文化フォーラム』
(1990年No.1~) - 『オムロンけいはんな文化フォーラム』
(1995年No.1~) - ◆ 広報誌
- 『紅萠』 (18号~)
- 『地球研ニュース』 (16号~)
- 『京都会議』 (0号~16号)
- 『京都経済同友会会報』
(1987年No.126~) - 『るりびたきーー桂坂ニュース』 (1号~)
- 『京のみどり』 (1996年No.1~)
- 『八坂ーー祇園の社へのいざない』
(1998年No.1~) - 『地域研ニュース』 (1995年No.1~)
- ◆ 学術誌
- 『安寧の都市研究』 (1号~)
- 『Endocrine Journal』 (Vol. 56, No. 3~)
- 『水資源・環境研究』 (No. 6~)
- ◆ オピニオン誌
- 『どすねん』 (No.0~7)
- ◆ 外国語またはバイリンガル
- 『地域研オケーショナル・ペーパー
JCAS OCCASIONAL PAPER』
(No.1~12 No.14~) -
仕事一覧
- 書籍
- 冊子
- 学術誌
- 広報誌
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